先日の金曜日のバイトでのことです。
高2の生徒の英語の授業でこんな文章があったんです。
He told me that he had seen her, which was a lie.
日本語にすると、
「彼は私に彼女に会ったことがあると言ったが、それは嘘だった。」
となります。
その生徒はこう訳しました。
「彼は私に彼女に会ったことがあるといい、彼女は横になっていた。」
全くとんちんかんな訳が出てきてびっくりしました。
なぜこんな訳になってしまったのかわかりますか。
まず、
He told me that he had seen her, which was a lie.
の“,which”は関係代名詞の非制限用法で
“He told me that he had seen her”
という文章を先行詞とします。
ですので、
He told me that he had seen her, which was a lie.
を書きなおすと
He told me that he had seen her, but it was a lie.
となります。
その生徒は“,which”が文章を先行詞とすることは
知っていたようなんですが、なぜか彼女(文章ではher)
にwas a lie.をかけてしまっていました。
そして“was a lie.”というのはそのまま嘘だったとなる
んですが、“lie”を“lay”と取り違えて“横になっていた”
としてしまったんです。
そんなところに動詞のlayがくるはずがないですし、
aと冠詞がついているので、lieは名詞だと明らかです。
考えているうちに、勝手な文章が出来上がってしまう
んですね。誰でもこういう経験はあると思います。
人間の想像力は面白いです。
それにしても、
「彼は私に彼女に会ったことがあるといい、彼女は横になっていた。」
はどんな場面なんでしょう。